大腿骨頸部、転子部骨折 理学療法(治療・後編)

新人理学療法士 勉強

大腿骨頸部、転子部骨折 理学療法(治療・前編)の続きです。
大腿骨頸部、転子部骨折の治療のPOINTは、
疼痛消失、股関節の機能向上でした。
疼痛に関しては、詳細な評価を行い、術後の疼痛の場合は、時期により行う治療が異なるため注意して介入しましょう。
股関節の機能向上は、当たり前ですが、必須です。ここでは、どういった点を
優先して治療していくべきか多いパターンを紹介していきます。

股関節の機能向上の行うべきことは??

  • 股関節の可動域
  • 股関節周囲の筋力向上

基本的には、可動域、筋力ですね。

可動域は、、、

 多いパターンでは、疼痛によって防御性収縮が発生し
 可動域制限が発生していることが多いです。

 治療は、疼痛が出現しない範囲で自動介助運動を行っていくと、
     可動域は向上していくと思います。
     また、筋緊張もコントロールされてくると思います。

筋力は、、

 多いパターンは、腸腰筋、大殿筋、中殿筋の筋力低下を認めることが多いです。

 治療は、まずは背臥位でROMの改善も兼ねて、自動介助運動
     次に抵抗運動(ゴムバンドなどを使用して)
     臥位での運動に加え、CKCでの運動も行っていきましょう。
     CKCでは、立ち上がり、立位、歩行など基本動作を行っていきます。

 そんな感じで、適切に行っていけば少しずつ改善していくと思います。
 MMT、ROMの数値はどんどん良くなっていくと思います。

単純に筋力、可動域を向上させるだけでいいのか??

MMT、ROM良くなったけど歩行が難しい、、
なんか歩くとふらふらするなど、、
こんなことがよくあると思います。

そんな時、まだ筋力が足りないでしょうか??
私はそうではないと思います。
正確に言えば、その動作最中、その瞬間の筋出力が足りないと思います。

よくあるパターンですが、トレンデレンブルグ徴候は中殿筋の筋力低下の影響でしょうか?確かにそれもあるとは思います。しかし、歩行中の必要な場面(立脚中期)での中殿筋の筋出力が低下、収縮のタイミングの遅延が考えられます。

中殿筋の筋出力が上手く出力されない要因として、
アライメントの影響??
筋収縮の学習が足りない??
荷重位置が良くないなど
様々な要因があります。

アライメントの影響であれば、装具療法で、足底版を調整したり
荷重位置が良くない場合は、荷重位置をコントロールするようにステップ練習を
行うとよいでしょう。

以上の事を押さえて、可能な限り正しいアライメント(受傷前に近い状態)で、
荷重(歩行)を行うと、自然と中殿筋の筋出力が賦活されていくと思います。

まとめると、可能な限り受傷前の状態に近い状態で、
荷重や歩行を行い、筋収縮の学習を行っていくことが重要
です。

適宜、徒手などで補助、誘導または、装具などを使用していくことも必要です。
自分の促したい動作ができているか代償が出現していない確認しながら治療を行っていきます。

まとめ

まずは、股関節の可動域、筋力upが重要
その次に、動作(歩行など)の中で、筋収縮の学習を行っていく。

治療は、
疼痛のない範囲で、自動介助運動を行っていく。
次は抵抗運動で、CKC運動と繋げていく。疼痛が発生したら、再度評価を行い、
疼痛に対してもアプローチを行う。くれぐれも疼痛がある中で無理しないように
最後に、歩行などで、可能な限り受傷前の近いアライメントで行い、
筋収縮を促していくとよいでしょう。
難しければ、徒手にて誘導、装具の使用などを行っていくとより良い状態で
筋収縮を促せます。

可動域、筋力は上げていかなくてはいけないことは、よくわかると思いますが、
歩行中の筋収縮が促せているかなどを確認することも重要です。
自分の経験では、代償が出現しており、弱い筋(大殿筋や中殿筋など)はほとんど使っていないことが多いです。

実際の症例に対しての具体的なアプローチなどは、
書籍などで学ぶとよいでしょう。自分の経験不足を補ってくれるので、、

間違いなどありましたらコメントよろしくお願いします。

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