大腿骨頸部骨折 保存療法(免荷時の理学療法について)

新人理学療法士 勉強
taro
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免荷時はどうやってリハビリを進めていけば
いいだろう、、
全荷重まで円滑に進めていきたい、、

大腿骨頸部骨折、転子部骨折の保存療法の際のリハビリテーションについて解説していきます。頸部骨折、転子部骨折以外の骨折で免荷しつつ介入する際にも
使える考え方を紹介します。免荷時のリハビリテーションでのPOINTは、
荷重量を守りながら、荷重感覚の学習を行っていくことです。

大腿骨頸部骨折の保存療法(免荷時の理学療法について)

まずは、大腿骨頸部骨折の保存療法になる理由はなんでしょうか??
手術したほうが、免荷しなくてもいいし、早期荷重が可能になるため、
何で保存療法になるんだろうと自分は思っていました。

保存療法になる理由

基本的には、大腿骨の骨折では
可能であれば高齢者は手術した方がメリットが大きいと言われています。

保存療法を選択する理由は、手術ができないもしくは、しないほうが良い場合です。

例えば、

  • 手術することによる感染
  • 手術時の出血により、心臓に負荷がかかるので、心臓に既往がある場合は
    リスクが大きい
  • 超高齢のため、身体負荷を考慮して、、

疼痛には注意

特に大腿骨付近の疼痛は、注意してください。
骨折部の転位が起きている可能性があります。

筋性の疼痛の可能性もあるため、適宜評価してください。
骨折部の疼痛の場合、Drへの報告してください。

荷重量は守りながら、荷重感覚の学習が重要

骨折部位への過剰な負荷は避けながら実施しましょう
骨折部への負荷とは、骨折線をまたいで遠位の関節負荷をかけることなどです。

免荷中であると、もちろん荷重はあまりかけられないと思います。
その際、歩行中の荷重のかけ方を練習した方がいいと思います。

免荷側へ荷重をかけていくことはなんとなくわかると思います。
免荷側にかけることに加え、
歩行中の正しい荷重位置などを意識することが重要です。

POINT
  • 免荷側へ荷重をかけよう
  • 歩行中の正しい荷重位置を意識

具体的な荷重練習

さきほどの免荷側への荷重、正しい荷重位置の意識に加え、
健側の脚の強化も行っていきましょう。

全免荷

免荷側の荷重はかけらないので、健側の脚の強化を中心に行っていきます。

免荷側のROMや骨折部へ負荷がかからないように筋力トレーニング
健側の脚の強化は、
筋力訓練に加え、
身体機能が高ければ片脚立位などのバランス練習、
体幹トレーニングなど

具体的には、SLR、セッテイング、体幹ex、ROMなどです。

免荷側の管理も指導しましょう!

免荷側の管理が必要なため、免荷するように指導を行ったり、
自己にて、免荷側の管理が難しい場合は、介助者が行ってください。
特に移乗場面やADL場面で、免荷上手くできていない場合があるため、
注意しましょう。また、移乗方法が難しい場合は、病棟でデモンストレーションを行うなど方法の統一を図りましょう。

1/3荷重まで

まずは、体重の確認し、どの程度かけてよいか確認しましょう。
また、免荷側の管理のため、ベッドサイドや車いすに
荷重制限があることを明確化した方がADL上荷重制限を守れると思います。

結構気をつけないと荷重overしてしまうため、
ちょっと足を付けるといったイメージですね

ここでは、疼痛のない範囲で、荷重をかけていきます。
免荷により、荷重感覚が入力されていないため、
荷重感覚を入力し、荷重感覚を学習させていきます。

  • 座位で足を付けて、体幹前傾運動
  • 体重計を使用して、荷重練習

1/2荷重まで

1/2荷重までOKとなると、両脚同じようにかけていけるイメージですね。
ただ、免荷側に多くかけてよいわけではないので、引き続き免荷側の荷重は
管理していく必要があります。

荷重練習は、免荷側を1/2荷重までかけて良いので、
平行棒内などで、体重計を使用し左右への体重移動を行うとよいでしょう。
また、健側を軸にして、ステップ練習を行うことも良いと思います。

  • 体重計を使用して立ち上がり練習(難しければ、座面を高くして、、)
  • 荷重練習

2/3荷重まで

2/3荷重までOKになると、少し免荷側にもかけてよいイメージになります。
気を抜くと、全荷重になり荷重overしてしまう危険性もあるため、注意してください。

ここまでくると、荷重をコントロールできているか確認しながら、
平行棒内で歩行できると思います。
上肢で免荷しながら、免荷側から接地させ、そろえ型で歩行してください。
注意点は、荷重により疼痛が出現していない確認してください。
また、翌日なども
疼痛が出現していないか確認してください。

荷重量が多くなってくると、膝が痛くなったりすることがあります。

平行棒内で問題なければ、PICKUP歩行器などを使用して、
3動作そろえ型で、体重計で適宜はかりながら実施していくと良いです。

  • 歩行(平行棒内、PICKUP歩行器)
  • 荷重練習(立位バランスも含め)
  • 立ち上がり練習(左右差が出現していないか確認)

全荷重

いよいよ全荷重です。全荷重といっても、いきなり独歩で歩くことは
多くの場合NGです。Drの指示にもよりますが、歩行器→杖→独歩と
疼痛を確認しながら、行ってください。

まずは、平行棒内で歩行を行います。
次に問題なければ、歩行器へ移行させていきます。可能であれば、
2動作前型の歩行を学習していきたいところです。

いままで、そろえ型で歩行を行っていたため、
前型の歩行に恐怖心や拙劣さが出現することが多くあります。

その場合は、ステップ練習などで前足部への荷重を促し、
歩行時の正しい荷重位置を学習していきましょう
。また、全荷重になると、
股関節、膝関節への負荷も大きくなり、疼痛が発生したり、骨盤動揺が
出現することがあります。

荷重感覚の学習は、前後(矢状面)だけでなく、左右(前額面)での学習も重要
前型歩行で、連続的な歩行になった際に
前額面での荷重が足部の外側にかけ過ぎたり、
体幹が側屈していたり、
と努力的な体重移動になり、側方への動揺が生じることがあります。

そのため、円滑な歩行、動揺を抑制するためにも
矢状面、前額面での荷重感覚の学習が必要

歩行を学習していきたいので、歩行中に徒手で誘導したり、インソールで誘導したりと、歩行中に正しい荷重を誘導していきます。

  • 歩行練習(平行棒内→歩行器→杖→独歩と徐々に荷重量を増やす)
  • ステップ練習(荷重感覚の学習)
  • CKCでのトレーニング

まとめ

大腿骨頸部骨折、転子部骨折の保存療法の際のリハビリテーションについて解説してきました。免荷時のリハビリテーションでのPOINTは、荷重量を守りながら、荷重感覚の学習でした。

荷重制限を守りながら、疼痛に注意して荷重をかけていき、
歩行時の正しい荷重位置を学習することが重要です。
学習するためには、なるべく歩行中に誘導を行っていくと良いでしょう。

免荷のリハビリテーションに関して、あまり解説されている本や参考書などがなかったので、解説しました。基本的には、Drの指示に従いながら、進めていきます。
骨折部の負荷など気になるところがあるならば、確認していくと良いでしょう。
若い方や運動機能が高い方は、松葉杖を使い免荷を行うこともあるため、
そういった場合は、松葉杖の使い方なども指導していく必要があるでしょう。

間違いなどありましたらコメントよろしくお願いします。

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