SLRってどんな効果があるのか、体幹機能が評価できる??など
SLRに関して、どんな効果があるのか気になることがあると思います。
文献を参考にまとめました。特に体幹筋を中心にSLRを解説しています。
自分もSLR時の体幹の働きが分からずにいたので調べました。
例えば、腰痛の際など、activeSLRでよく評価すると思います。
結論としては、SLRでも体幹筋は使われており、
体幹機能を評価する方法の1つとしてよいかと思います。
SLRを簡単に説明
分かるひとは読み飛ばしてください。
仰向けで
片脚の膝伸展を伸ばして、その脚をあげる運動です。
運動学でいうと、膝伸展位で股関節を屈曲させていく運動ですね
よく、術後など行われている運動です。簡単にできるので良く行われている印象です。また、腰痛の方の体幹機能を評価するのに使ったりします。
SLRの効果について解説
次はSLRの効果について解説していきます。
良く知られているのは、大腿直筋の強化ですが、
体幹に関してどうでしょうか?
効果を考える際に、運動学的視点で考えていきます。
まずは、SLRで、どんな運動が起きてるでしょうか??
特に、SLRを行った際に働く主動作筋を考えると良いでしょう
自分の考えでは、SLR時に起こっている運動は、
- 膝伸展
- 股関節屈曲
- 骨盤後傾
この運動が出現していると考えます。
主動作筋はなんでしょうか??
- 大腿直筋
- 腸腰筋
単純にこの2つは働いていると思います。
骨盤はどうでしょうか??
通常、股関節屈曲する際に、骨盤は後傾していきます。
しかし、大腿直筋と腸腰筋の働きにより、骨盤は前傾方向へ誘導されます。
骨盤を固定させるために、
- 腹直筋
- 内腹斜筋
働き、骨盤後傾方向へ誘導し、骨盤を中間位に保ちます。
文献を引用すると、
骨盤や腰椎に付着する大腿直筋・腸腰筋の,下肢挙上による強力な牽引力(筋収縮)により骨盤には前傾作用が生じる.この骨盤前傾作用に対して,骨盤の動きを固定するため腹直筋は活動性が高まるのである
近藤 裕貴ら下肢伸展挙上保持における体幹筋活動 理学療法科学 26. 2011577–58
SLRで体幹筋も働いている!!(体幹機能を評価するのに使おう)
SLR時に働いている筋は、
腹直筋や内腹斜筋でしたね
これを臨床に応用すると、、
体幹筋の評価として使える(効果判定)
実際に、腰痛の方の体幹機能を評価する際などに
使用している方もいると思います。
ちなみに麻痺の方の体幹機能を評価する
プレーシングも同じような原理で体幹機能を評価できると思います。
実際にSLRの際に、どのようなところをみて、
評価すればいいのか??
- 骨盤前傾の代償(腰椎前弯)腰が浮いてくる
→腹直筋、内腹斜筋の筋出力低下 - 骨盤回旋の代償(挙上側に回旋)
→内腹斜筋の筋出力低下
こういった代償をみて評価すると良いと思います。
応用として、SLRを行い、挙上したまま、抵抗を加えれば
さらに、腹直筋、内腹斜筋に負荷をかけることができます。
最後に、参考にしたオススメの文献
- 大沼俊博他:股関節外転位下肢伸展挙上保持における骨盤の働きと腹筋群の筋積分値との関係ー非挙上側下肢屈曲位での検討ー,関西理学 3:101-104,2003
- 近藤 裕貴ら下肢伸展挙上保持における体幹筋活動 理学療法科学 26. 2011577–58
まとめ
SLRでは、主動作筋の大腿直筋と腸腰筋に加え、
骨盤固定するために、腹直筋、内腹斜筋が活動していると考えられます。
そのため、体幹機能を評価する(効果判定する)にも使用できる
もし、上手くできていなかったら、腰が浮いてきたり、骨盤が回旋の代償が出現
出現したら、腹直筋、内腹斜筋の筋出力低下、体幹機能の低下が疑われます
体幹機能を評価するためにSLRを使って、代償をよく見てみてください。
間違いなどありましたらコメントよろしくお願いします。
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また理学療法士の人は、自分の運動療法の引き出しを増やすという視点でも自分自身が受けてみるのもオススメです!
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