大腿骨頸部骨折の患者様に対して、
どういった風に進めていけばよいだろう、、
大腿骨頸部、転子部骨折のリハビリの進め方について解説していきます。
自分は、整形分野の回復期病院で2年程やっていました。
大腿骨頸部骨折の評価のPOINTは、
骨折部の状態の確認、受傷機転、既往歴にも着目することです。
骨折のリハビリの基本的な考え方
まずは、骨折部の治癒が大事!!
当たり前ですが、、、
そのため、まずレントゲンで、骨折部の状態を確認しよう
どういった折れ方をしているか。
骨折線はどこにあるか、どこが折れているか、骨転位の有無など
その次は、保存療法か手術療法を確認しよう
保存療法の場合、
骨折部の治癒を配慮するため、骨折部に負荷がかかりすぎないようにします。
具体的には、、免荷期間や免荷量などが決められていることが多いです。
また、回旋などの運動、骨折部を挟んでの遠位の抵抗運動など好ましくないもしくは、禁忌とされている運動もあるため医師に確認しましょう。
手術療法の場合、
術式の確認、分からなければ調べましょう。
そこで、禁忌について調べましょう。スクリューなどの場合、
カットアウトには注意。再手術の危険性があります。
大腿骨転子部骨折術後のカットアウトの頻度は、short femoral nail(以下SFN)で1.6~5.3%と報告されており、、、
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会:大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン
カットアウトの原因は上記のような術者側の要因の他,患者側の要因も挙げられ,回旋不安定例や骨癒合遅延例はカットアウトの危険因子の可能性があることが示唆された。
大腿骨転子部骨折術後のカットアウト例の検討
伊東 孝浩, 水城 安尋, 佐々木 大, 内村 大輝, 上田 幸輝, 溝口 孝, 田中 宏毅, 萩原 博嗣
以上のようにカットアウトにも注意して介入する必要があり、
骨粗鬆症の有無なども確認しておくと良いでしょう。
評価(問診)
基本的な問診(社会的情報やhopeなど)できくことに加え、
特に大腿骨などの骨折で聞く情報を解説します。
まずは、受傷機転を確認します!!
骨折はなぜ起こったのか、、
転倒によるものなのか、徐々にストレスがかかり自然と骨折したものなのか
この2つでも介入することやリスク管理が変わってきます。
転倒によるものの場合、
- どういった場面で転んだのか
- 以前に転んだことはなかったかなどを確認
転倒によるものの場合、例え歩けるようになったとしても
再度転倒リスクが高いため、何らかの対策が必要
例:歩行補助具や機能up、バランス練習など、、
自然と骨折したものの場合、
- 転倒歴(転倒したときに骨折していないか)
- 以前、同じように骨折していないか
- 骨粗鬆症はないか
自然と骨折した要因をなるべく詳細に評価する必要あり
入院中にも骨折するリスクがあります
必要があれば、医師に確認を取ることも必要
評価
一般的なROM、MMT、形態測定などを行います。
痛みを訴えることが多いため、疼痛評価をしっかり行いましょう。
具体的な場所、どんな時に痛いのか、いつから痛いのかなど評価
なかなか疼痛が取れないと、上手くリハビリが進んでいかない可能性が高いため、
原因を追求することです。
追求するコツは、可能な限り詳細に疼痛の情報を把握することです。
矛盾するようですが、聞きすぎると疼痛を意識しすぎることで、疼痛が増悪することもあるため注意
意外と見逃しがちなPOINTは、既往歴や合併症にも着目することです。
例えば、合併症に認知症がある患者様であれば、認知面を考慮し評価することが必要
圧迫骨折や変形性膝関節症があれば、その部位へのアプローチも、、
高齢者は、今回の疾患のみでなく、元々膝が痛かったり、肺炎があったりと
様々疾患があるため、そういったところにも評価が必要です。
時に、今回の疾患と同じくらい全身状態へ影響を与えていることもあるので、
治療が必要な可能性もあります。
まとめ
今回は、大腿骨頸部、転子部骨折に対する評価を紹介しました。
まずは、レントゲンで骨折部の確認を行います。
その後、問診にて受傷機転を確認します。
理学療法評価では、ROM、MMTなどの基本的な評価に加え、
疼痛を訴えることが多いため、疼痛の評価を詳細に行うことが必要
また、既往歴や合併症にも着目し、評価していくことが重要
自分の意見としては、ほとんどの方が今回の疾患に加え、合併症や既往歴の影響を大きく受けている印象です。時に、合併症や既往歴に悩まされることも、、
機能向上し、自宅復帰できるだけでなく、再度骨折しないような予防も含め介入できると良いかと思います。
間違いなどありましたらコメントよろしくお願いします。
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また理学療法士の人は、自分の運動療法の引き出しを増やすという視点でも自分自身が受けてみるのもオススメです!
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